映画『ドライブマイカー』は村上春樹の短編小説からなる西島秀俊主演の長編映画。
広島を舞台にしたこの映画はカンヌ国際映画祭(脚本賞)やアカデミー賞の前哨戦とされる「ゴールデン・グローブ賞」(非英語映画賞)などを受賞。
飛ぶ鳥落とす勢いの濱口竜介監督によるこの映画は東京、広島、北海道にロケ地を据えた3時間という大作にもかかわらず、それを感じさせない疾走感と静寂がうまく融合し観る者を引きつけます。
今回あらすじとネタバレ込みの感想で振り返りますが、作品に込められた内容があまりにも深くストーリーに現実を照らし合わせ何度でも見てみたくなります。
そんな時のために韓国のラストまでフルで無料視聴できる配信サイトでの視聴がおすすめです。
映画『ドライブマイカー』のキャストとあらすじ
映画のドライブマイカーの主な実力派キャストはこちら。
家福悠介 (主人公) | 西島秀俊 |
渡利みさき (主人公の車のドライバー) | 三浦透子 |
高槻耕史 (家福音の浮気相手? 主人公が演出する舞台の俳優) | 岡田将生 |
家福音 (主人公の妻) | 霧島れいか |
マイル子は女優陣のことを全く知らなかったのですが、ドライブマイカーに出てくれてありがとう!というくらい素晴らしい演技でした。
そんな実力派ぞろいのキャストによるドライブマイカーのあらすじは、
舞台俳優と演出家を兼ねる家福(かふく)悠介(西島秀俊)は妻であり元女優の脚本家でもある音(霧島れいか)と暮らしています。
音の脚本の作り方は独特で、家福とのセックスの最中に降臨してくるストーリーが元となり、その物語を家福が完全に記憶し翌日音に話聞かせ、さらに音が文字おこししたものが作品になります。
ある日家福が参加するロシアでのワークショップで成田空港に到着した直後中止のメールが届いたため、家福は自宅に戻ります。
すると中では大音量のクラシック音楽の中で音が他の男と営む姿を目撃。
しかし家福はその後も何事もなかったように音と電話で会話します。
そして数日後に突然音はくも膜下出血で帰らぬ人に。
そこから2年の月日は流れ、家福は普段の生活を取り戻し広島での演劇祭の指揮をとることになりました。
愛車の赤いサーブ900を運転し家福は自宅のある東京から広島へ向かいましたが、事故歴のある家福は遠回しに車の運転をしないよう手回しされていて、専属のドライバーであるみさき(三浦透子)を紹介されます。
はじめは距離を置いていた家福ですが、寡黙なドライバーみさきと時間を共にする中で徐々に家福自身の中にある喪失感やそこから逃げている自分に気づかされることに…。
映画『ドライブマイカー』を鑑賞した感想(あらすじのネタバレあり)
3時間、正確には2時間59分という大作の映画『ドライブマイカー』は、あらすじだけみるとちょっと敷居が高く感じてしまいます。
だけどロケ地が広島ということもあり、マイル子が普段車で通っている道路や景色をスクリーン越しに観ることでますます興味深く魅入ることができました。
※以下は少しネタバレ要素を含みます↓↓↓
マイル子には少々ハードルが高く一度ではすべてを飲み込み切れませんでしたが、おさらいすることでこの映画のすごさに圧倒されることに!
とはいえ冒頭から家福(西島秀俊)と音(霧島れいか)の濃厚なシーンで始まり、「一体何を観ているのか…」と。
しかし逆光でシルエットで映し出される音の姿はとても美しく、このシーンが持つ意味はこの後のストーリーで様々な考察を巡らせてくれます。
子どもを亡くした夫婦が前に向いて新たに再生しているように感じられますが、古いヴィンテージのサーブ900を後生大事にする家福、スマホなのにトグル入力する音はある時あたりから実は時が止まっている描写のように感じさせられ…。
そして音とその浮気相手と考えられる高槻(岡田将生)との情事も家福は問い詰めることなく黙って立ち去ったり、音が家福とのセックスでの空虚な表情や、音が亡くなった時の家福の取り乱すことなく淡々と救急車を呼ぶ様子などから、この夫婦はお互いを深く理解する作業をしないまま夫婦を続けてきたことがうかがえます。
広島で紹介されたみさき(三浦透子)の大き目のジャケットにキャップとスニーカーといういで立ちや何かと煙をたしなむ姿、そして朴訥とした語り口調は、透明人間のように家福に寄り添っているようで、みさきの過去を知るうちに家福も共鳴するものを感じたのではないかと。
その共鳴とは、二人とも自らの悲しみから遠ざかっていた、というか蓋をしていたところ。
それを際立たせたのが、やや病的ともいえる高槻(岡田将生)のストレートさ。
家福も高槻のそんな性質を見たとき、社会人として自分をコントロールできていないことをたしなめつつも役者としては評価していました。
みさきが運転するサーブ900の後部座席での高槻の家福への訴えは、高槻のいい意味でのまっすぐさを表し、終盤の自白のシーンでは家福やみさきにはない高槻自身自分を受け入れ肯定できた潔さが強烈なインパクトとして残りました。
そして広島からみさきの故郷北海道までの車の走行シーンでは、変わる景色と気候が長距離ドライブを物語り、長い旅の先で知るみさきの真実で家福は自分自身に完落ち。感情をあらわにしない中にも強い自責からなる十字架を背負ったみさきの告白は、家福の中にある最後の鉄の殻を少しずつ剥がしていくようでした。
またこの映画の特徴である「ゴドーを待ちながら」や「ワーニャ伯父さん」といった戯曲と多国籍キャストの多言語を掛け合わせた演劇も、家福やみさきの影の部分を浮かび上がらせます。
多言語の中には手話も織り交ぜられ一見ややこしいのですが、 男と女(ジェンダー)、多言語(人種)、手話や多重人格(障がい)などこれまでこうあるべきなどのステレオタイプの思考をフラットにした上で、本当の自分を直視し向き合う必然性に迫られます。
ドライブマイカーの何が素晴らしいかって、最終地点までの一人一人の心の動きを映画の中でまるで計算しつくされたかのように上手く描写されているところ。
こんな鑑賞後にハッピーでもなければ感傷的にもならない、そしてもやもやも残らないような映画は初めて。
これは決して駄作だったからではなく、本当に細部にわたりさまざまな解釈ができる映画だったから。いつの間にかこの映画の意味するものや自分とはどういうものなのかを観終わった直後から考えることにシフトさせられたからで、それほどまでに引き込まれていたのだと思います。
ちなみにマイル子はラストの韓国のみさきの様子からあの後家福が失明したことでみさきは家福の車サーブ900を引き取り、母の祖国である韓国で孤独を受け入れ再出発したのかな、と思っていました。
しかし韓国のラストシーンも考えれば考えるほど家福が亡くなったのか、今まで芝居を打っていたみさきが殺したのか???などいろんな考えが浮かびます。
観れば観るほど新たな解釈が生まれる『ドライブマイカー』は普段映画を観ない人も押さえておいてほしい作品です!
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『ドライブマイカー』はいきなりのベッドシーンで始まりその後の物語は淡々と進みますが、セリフや情景が一つ一つ深い意味を持っているようで、一度観たらもう一度観なおしたくなる映画です。
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まとめ
映画『ドライブマイカー』の評判は多方面で絶賛され、世界の作品の中でも今最もアツい映画の一つです。
玄人受けする難しい内容のように感じられますが、人の最も根底にある弱さやずるさをじっくりと紐解き再生させていく様は普段映画を観ない人にも受け入れられると思います。
感想は個人的な見方でお話しているため、他にもさまざまな考察ができるのではないかと。
そんな楽しみ方で存分にドライブマイカーの世界に浸ってみてください。
U-NEXTで繰り返し視聴するだけの価値がある作品です!
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