スノーピーク(Snow Peak)の焚火台Lサイズが仕様変更されているのをご存知ですか?
焚き火台の中でも一生モノと言われるこちらは、特にLサイズに人気が集まっています。
そしてこのLサイズ、実は1996年~2011年の「初代」2011年~2018年の「前期」を経て今店頭で販売されている現行モデルは3代目。
とはいえ初代から同じ型でずっと愛されているスノーピークの焚火台は、一見どこが違うのか分かりにくいですよね。
そこで、一生モノともいえるスノーピークの焚火台は一体どんな仕様変更を行われているのか、そしてキャンプでの焚き火の失敗から学んだ焚き火台選びについてご紹介します。
スノーピーク(Snow Peak)焚火台Lサイズの仕様変更内容
スノーピーク(Snow Peak)の焚火台で人気のLサイズは、2018年からLLサイズとともに現行型に移行されました。
前期モデルから現行モデルへの仕様変更は性能にはなんら違いはありませんが、若干見た目が変わっているようです。
スノーピーク(Snow Peak)焚火台Lサイズの仕様変更内容その1
スノーピークの焚火台で前期型(ST-032R)と現行型(ST-032RS)の最も大きな違いは、加工の仕方です。
焚き火台のフレームとプレートをつなぐ加工方法が、前期型(画像左)が溶接だったのに対し、現行型(画像右)はフレームとプレートをステンレスで覆う加工に仕様変更されています。
加工方法が違えど強度は同じとのこと。
現行モデルはすっきりとした加工で見た目にもスタイリッシュ。
しかし前期モデルのスポット溶接は無骨感があり、いにしえのスノーピークファンからは惜しむ声も上がっています。
ちなみにL、LLサイズは現行型に仕様変更されましたが、SとMサイズはR型で継続中のようです。
スノーピーク(Snow Peak)焚火台Lサイズの仕様変更内容その2
もう一つの仕様変更はプレートの刻印です。
スノーピークの焚火台のプレートには全面4枚のプレートに刻印があります。
その「MADE IN JAPAN」の下にある刻印の有無がもう一つの違いです。
前期型(画像左)には「HEADQUARTERS」という刻印がありますが、現行型(画像左)にはありません。
本社工場で製造されていたスノーピークの焚火台ですが、Lサイズは別の工場での製造に変わったようで、それに伴い刻印もなくなっています。
S、Mサイスは刻印も健在です。(2022.9現在)
初期型の仕様
スノーピークは1996年に、いわゆる初期型として日本で初めて「焚火台(ST-032)」というのもを世に送り出しました。
初期型の焚火台の特徴は、前期型と同様溶接でフレームとプレートを合わせるやり方でしたが、前期型の丸っこい溶接とは違い溶接部分が目立たない感じです。
そして現行型と比べてステンレス板のマットな仕上がりも初期型の特徴。
これは「酸洗い」という溶接部分の痕を残さないために行われていた工程によるもの。
だけどこの時に排出される液体が環境汚染の原因になる可能性があるため、新しい技術を取り込み現行型のピカピカステンレス板に変更されています。
またヘッドクォーターズの刻印がないのも初期型の特徴。
初期型の焚火台は販売されているところを見かけないため、所有されている方はぜひ大事になさってくださいね!
スノーピーク(Snow Peak)焚き火台が一生モノと言われる理由
キャンプに焚き火台が必須になった今日この頃ですが、バブルがはじけた後のキャンプブームでは焚き火台というものは存在せず至る所で直火が行われていました。
そのため焚き火そのものを禁止するキャンプ場が瞬く間に増加していきました。
この事態を憂いたスノーピークのスタッフは、1995年から焚き火台の開発を開始。
それから現在まで多くの人に愛されているスノーピークの焚火台ですが、それは一生モノと言える堅牢堅固なつくりで最強の焚き火台であるため。
その鉄壁の焚き火台は、初期型から現行型まで細かい仕様は変わっているものの基本は何も変わっていません。
そのため、初期型や前期型、現行型どれを持っていても生きている間は一生使える焚き火台として重宝されています。
ではどのように堅固なのかというと、「1.5㎜厚のステンレス板」を使用しているということ。
板厚がこれより薄いとステンレスに歪みが出てしまいます。
薄い方が軽くて扱いやすいことを十分承知の上で耐火性や耐久性を重視し、スノーピークは「最強の焚火台」は生み出しました。
前期型は仕上がりの美しさを追求するために高い技術を必要とする溶接方法を行っていたり、気泡を入れないため高価な不活性ガスを使用するなどでも堅牢さを追求し、モノづくりへのこだわりを感じさせます。
現行型は技術の進歩によりこの溶接部分を新しい作り方に変えていますが、どちらも品質と技術は圧巻のレベルです。
失敗からスノーピーク(Snow Peak)の焚火台に戻った理由
数ある焚き火台の中で、なぜスノーピーク(Snow Peak)の焚火台に戻ったのかについてもお話しておきます。
ソロキャン女子の一人でもあるマイル子はこれまでいろんな焚き火台を使ってみましたが、結局スノーピークの焚火台Lに戻りました。
もちろんほかの焚き火台も使いますが、メインはもっぱらスノーピークの焚火台L!
スノーピークの焚火台の記事を書くということは当然おすすめだからなのですが、一番お伝えしたいことは焚き火による被害を抑えることの重要性。
今から20年前にスノーピークの焚火台Mサイズを使っていましたが、あまりに重くて片づけが面倒になり手放してしまいました。
そして炭の処分などが楽ということでしばらくメッシュの焚火台を使っていたのですが、これでキャンプ場の地面を焦がすという大失態を犯してしまいました。
ではなぜスノーピークに戻ったのか。
それは、
この3点でした。
燃焼効率の高さ
二次燃焼ストーブ並みに燃焼効率が高いのがスノーピークの焚火台。
逆三角形のフォルムでプレートとプレートのすき間から焚き火台に空気が入り込み、炭床を置けばそのすき間を灰でふさがれることもないので、薪を足すたびに豪快な炎を揺らしてくれます。
土嚢袋いっぱいの大量の薪も、プレートのすき間と穴からいい塩梅の空気が還流することでしっかり燃えつくされ灰だけに。
炭は土に還りませんが、木だけを燃やした灰は良質な肥料にもなります。
これまでの焚き火台はチマチマと世話をしてようやく灰にしていましたが、スノーピークの焚火台なら最後にちょっと手を加えるだけでOK。
炭の塊は意外に長い間火がくすぶっているものです。
キャンプ場の灰捨て場も火事にならないよう灰の状態にして捨てた方が安全なのですが、スノーピークの焚火台は簡単に灰まで燃えつくされるので安心です。
安定性
スノーピークの焚火台の重量は、
- Sサイズ:1.8Kg
- Mサイズ:3.58Kg
- Lサイズ:5.3Kg
軽いものだと500g前後のものもある焚き火台に比べると、スノーピークの焚火台はまさに重量級。
軽い焚き火台の方が扱いやすいのは確かですが、一度失敗をすると怖くて軽い焚き火台には手を出せません。
あまり聞いたことはありませんが突風で焚き火台が倒れたりするんじゃないかとか心配になり、とにかく重くて安定した焚き火台にしたいと思いました。
またキャンプで焚き火をしていると、やっぱり大きな炎を求めてしまいます。
バチバチという音とともにゆらゆら揺れる炎はやっぱりきれいだし、秋冬のキャンプの焚き火で暖を取るにはそれなりの炎も必要です。
巻き割りが苦手なマイル子は、太めの薪をそのまま使うこともしばしば。
つまりはめんどくさがりなんです(;^_^A
乾燥させているとはいえ1本でもかなりの重量。
安心して薪をどんどん追加していく豪快な焚き火ができるのもスノーピークの焚火台だからこその安心感です。
地面の保護
スノーピークの焚火台は炭床を使うことができます。
この炭床を使い高さを設けることで地面を高温で温めすぎず保護できる、などの理由も決め手に。
先にもお話した焚き火の失敗は、焚き火台のせいではなくおバカなマイル子の非常識な使い方によるものでした。
使い方次第で安全で楽に使えるのがメッシュの焚き火台のいいところなのですが…。
豪快な炎を求めアイアンスタンドに直接メッシュを張り薪を並べ、なおかつプレート部分にも薪を置くというありえない使い方をした結果がこちら。
地面に板を置きその上に耐火シートを敷き、焚き火の下には太い薪を乾燥がてら並べていました。
だけど極度の高温になったためか、メッシュは破れ落ちた炭が薪に燃え移り、あっという間に耐火シートまで火が移り…。
すぐに火は消し止めましたが、片づけをしていると真っ黒こげの板と焦げた地面を目の当たりに。
キャンプ場のオーナーさんに謝罪をしお許しいただいたものの、「もう焚き火をする資格などないわ」としばらく自分の馬鹿さ加減で凹んでしまいました。
オーナーさんから以前、
焚き火台は高くてもいいものを買った方がいいですよ。
と言われたのはこういうことだったのです。
自分では大丈夫と思っていても、火は失敗すると取り返しがつかないことも。
焚き火台は火を扱うにもかかわらず安全基準が設けられていません。
だからこそ慎重に選ぶ必要があるということを心の底から通関した出来事でした。
地面は耐火シートだけでは焦げないけど、高温の熱により生焼け状態になり地面の生態系も破壊してしまうことも教わりました。
このためいろいろ吟味した結果、
といった理由から、地面にも優しい安全で頑丈なスノーピークの焚火台を再び招き入れることに。
そして今でもベースプレートの下には耐熱シートと板を敷いて、念には念を入れ万全を期しています。
ちなみにLサイズは炭床と一緒にすると重くて持ち運びや片づけがおっくうになると思っていましたが、安全な焚き火台だと思うと全く気にならなくなりましたよ!
まとめ
スノーピークの焚火台の仕様変更は細かな部分のみで、基本的な性能は全く変わっていません。
初期型なら20年以上、前期型なら10年以上使用しているというベテランキャンパーさんがたくさんいらっしゃることから、モノづくりにこだわった堅牢堅固な焚火台は一生モノと言えますね。
焚き火の失敗はキャンプ場にご迷惑をおかけすることになりましたが、おかげでスノーピークの焚火台のすごさを改めて気づかされることになりました。
火の扱いってとても慎重にならないといけませんが、同じ火を扱っているにもかかわらず「直火禁止」「焚き火エリア」以外ほぼ暗黙のルールしかないのが焚き火。
「焚き火台」は無法地帯なので、責任を持って楽しまないとですね。
コメント
初めまして、スノーピーク焚火台Lの初期型(ST-032)を調べていて、本ブログにたどり着きました。先日フリマサイトで購入したスノーピーク焚火台Lがラッキーなことに初期型のようです!溶接がぼてっとしておらずフラットで、無刻印(HeadquartersだけでなくMade in japanの刻印もなし)です。思いがけず価値があるものを購入できてよかったです。
しんごさん
初めまして。チアログのマイル子と申します。
この度は素晴らしいご報告ありがとうございました。
こちらまで興奮してしまいました!
いや、よく見つけられましたね!
もう市場でお目にかかることはないと思っておりましたので、本当に羨ましい限りです。
初期型を持っていらっしゃる方は、おそらくほとんどが大ベテランキャンパーさんか親御さんなどご家族から譲り受けた方くらいだと思います。
初期型を持っていたら、分かる人からは一目置かれること間違いなし!
私も実物を見たらじっくり拝ませていただきたいくらいです^^
初期型とはいえ、見た目は使用感こそあるものの新品のものと遜色ないほど頑丈なつくりじゃないですか?
ぜひ末永く大事になさってくださいね。
(くれぐれも盗難には気を付けて!)
これから秋本番で焚き火がありがたい季節になるので、お互いスノーピークの焚火台を思う存分楽しみましょうね!
この度は閲覧していただきありがとうございました。
今後ともチアログの応援よろしくお願いいたします!
チアログ マイル子
ご返信ありがとうございます。
現行型よりも溶接されているものがいいなぁくらいで探していたので、ラッキーだったと思います。
初期型については色々調べてみると、「酸洗い」は重要なポイントだと思いました。溶接焼けを落とすだけではなく、耐食性向上にも役立っていたようです。オフィシャルには「溶接焼け落とし<環境」という打ち出しをしていたようですが、それだけではないような気がしています・・・。
初期型は現行品のような光沢がないものが見極めるポイントでしょうか。あまり知られていない可能性も高く、ちょこちょこ出品されているかも。
盗難リスクがあるんですか!それは怖すぎます。これから焚火が気持ちいい季節になってきますので、早くキャンプに行きたい!(色々忙しくて予定なし)
ブログも今後読ませていただきます!よろしくお願いいたします。
度々すみません!面白いもの見つけました!
たぶんこの出品も初期型の可能性があると思います。
ずいぶん前に廃盤になっている焚火床Pro19(炭床と記載されていますが)が付属されていますし、グリルブリッジも旧型ですね。
焚火台自体は、ロゴの状況わからないですが、独特の鈍い色といいますかくすんだ感じは初期型のような気もします。
ご参考まで!